おなかの症状
腹痛はお子さんが起こしやすい症状のひとつです。小さなお子さんは、腹痛をうまく言葉にできない場合もあるため、どのような症状が出ているのかが重要となります。しっかりとお話を聞き、隠れた病気がないか診察を行います。

腹痛

腹痛の原因はいろいろですが、子供が急に、しかも激しくお腹を痛がる時、一番多いのは、腸の中の便やガスが関係した痛みです。お腹が痛くても自分で歩けるようならば、トイレに連れていき排便を促します。排便が見られ腹痛が治まってきたら、そのまま様子をみてもいいでしょう。お腹を「の」の字にマッサージすると少し楽になることがあります。ただし、お腹の中に炎症があるとき(虫垂炎や胃腸炎)は、カイロなどで温めると炎症を悪化させる可能性があります。子どもが腹痛を訴えるときは、何かしらの原因があります。普段から食事の内容や量、排便の状態などをよく観察しておきましょう。特に2歳以下のお子さんに多く、緊急性の高いものに腸重積があります。腹痛、嘔吐、血便、いつもと泣き方が違うなどの症状がある場合には、速やかに受診しましょう。

こんな症状のときは早めの受診をおすすめします

  • 痛くて我慢できないような腹痛が3時間以上続いている
  • 急にお腹がパンパンに張って固くなっている
  • お腹を強くぶつけた
  • 便の中に血が混じっている
  • 緑色や茶色のようなものを吐いている
  • 陰部や足の付け根あたりが腫れていて、激しく痛がっている
  • 右下腹部の強い痛み

便秘

子どもの便秘は、うんちが週に3回より少なかったり、5日以上出ない日が続けば便秘と考えてよいでしょう。毎日出ていても、出す時に痛がったり、肛門が切れて血が出るような場合も便秘です。赤ちゃんの場合は、母乳やミルクが足りていないときや、生後2~3ヶ月の頃に一時的に回数が減る子もいますので、一概に便秘だと言いきれませんが、体重が順調に増えていたり、母乳やミルクを機嫌よく飲んでいれば、基本的に心配はいりません。ですが、小児における便秘の頻度は決して少なくありません。便秘で受診するのは・・・と、受診をためらっていませんか。排便の頻度は個人差があります。苦しそうにいきんでいたり、おなかが張っているなどの便秘の症状がある場合には、ぜひ一度受診してください。小さい頃からの便秘をそのままにしておくと、成長してもうんちを出しにくい腸になってしまいます。また、うんちは硬くて痛いというイメージを持つようになり、トイレトレーニングが進まなかったり、排便を嫌がってしまい、便秘が長引く要因となります。たかが便秘と思わず受診しましょう。

こんな症状のときは早めの受診をおすすめします

  • うんちをするときに強く痛がる
  • 便意を感じても足を絡めて我慢する
  • うんちがとても硬い、コロコロしている
  • 食欲がない
  • おならをする回数が多い、強い臭いがする
  • 粘り気のあるうんちが出る
  • 下着に汚れが付くことがある

特に注意が必要な症状(早急に受診しましょう)

  • 4日以上排便がない
  • 高熱を伴う場合
  • 嘔吐を繰り返している
  • 吐いたものが緑色をしている
  • おなかの張りが強い
  • うんちに血液が混じっている

子どもの便秘、放置してても大丈夫?

「そのうち出るだろう」「しばらく様子を見よう」と考えがちですが、便秘を放置すると悪化しやすく、その後も便秘になりやすくなります。便秘が長く続くと、直腸の中に硬いうんちが溜まり腸の動きが止まってしまうため、脳に伝わるセンサーが鈍くなり、便意を感じなくなります。そうなると、ますますうんちが溜まり、うんちの水分が吸収されどんどん硬く大きくなっていきます。このような状態になると、踏ん張ってもなかなか出ず、なんとかうんちが出ても、肛門が切れて激しい痛みを経験するため、次の便意があってもまた我慢するなど悪循環をまねきます。
さらに、将来の生活習慣病や腸の病気のリスクにも関わる可能性があるため、「いつか治るだろう」ではなく、子どものうちにしっかり治してあげることがとても大切です。

便秘がもたらすリスク

便秘が続くと、肌荒れや自律神経の乱れ、免疫力の低下、体臭などを引き起こすといわれています。また、将来的には大腸がんや腎臓の機能低下、脳卒中や心筋梗塞のリスクも高まります。
大人になっても便秘体質
適切な治療を受けなかった場合、便秘の子どもの約25%が大人になっても便秘を繰り返すといわれており、また便秘は生活習慣が大きく影響しますので、子どものうちにしっかり治療することで治りやすいといわれています。将来的な便秘体質を防ぐためにも、早めの治療が大切です。
他の病気が隠れているかも
過敏性腸症候群、腸閉塞、大腸憩室症、大腸ポリープ、大腸がん、直腸がん、卵巣腫瘍など、ただの便秘だと思っていたら、実は他の病気が隠れていたということがあります。また、腸や肛門の形や位置が原因でうんちが出にくい可能性もあります。

治療

診察や検査の結果をふまえて、お子さんの生活習慣や便秘のタイプに合わせて、生活指導や便を柔らかくする薬、腸の運動を活発にするお薬の処方、綿棒浣腸などさまざまな治療法があります。

予防

食生活の改善

バランスのとれた食事を3食きちんと取りましょう。豆類や野菜類、海藻類、果物などの食物繊維を意識した献立がおすすめです。水分補給も忘れずにこまめに飲むようにしましょう。また、離乳食を始めたばかりの頃や赤ちゃんは母乳やミルクが少ないと便秘になりやすくなりますので、母乳は欲しがる分だけ与えてよいでしょう。ミルク育児や離乳食を始めたばかり子は、麦茶や白湯、薄めた果汁などで水分を補ってあげてください。

適度な運動

散歩や軽い運動などで体を積極的に動かしましょう。お腹のマッサージもおすすめです。「の」の字を書くようにおへその周りを手のひらで優しくマッサージしてあげることで腸を刺激し、うんちを出しやすくします。

環境の変化やストレスの軽減

子どもはちょっとしたストレスでうんちが出にくくなることがあります。下の子が生まれた、怒られることが続くなど原因はさまざまです。スキンシップをたくさんしてあげたり、リラックスできる環境を整えてあげましょう。

その子に合ったトイレトレーニング

無理なトイレトレーニングは便秘を悪化させることがあります。失敗した時に叱ったりすると、トイレに行きたがらず我慢するようになります。トレーニングを始める時期は子どもの発達段階を考慮し、ご褒美をあげたり、たくさんほめて、ゆっくり進めてあげてください。

生活リズムの安定

学校生活の開始といった生活リズムの変化は便秘の原因になります。特に思春期の子どもは、学校でするのが恥ずかしい、朝のゆっくりとしたトイレタイムがないなどでうんちを我慢してしまうことがあります。 まずは早寝早起きをし、規則正しい生活を心がけましょう。そして、うんちを我慢する癖をつけないようにし、学校でも便意を感じたらトイレに行くようにしましょう。
〜排便の記録をつけるのもおすすめです〜
子どもの便秘は、悪循環におちいる前に気づき、早めに対応してあげることが大切です。排便の回数や間隔、便の形や量、薬の服用状況など、その時の様子を記録することで日々の状態を把握でき、ちょっとした変化に気づけたり、治療にも役立ちます。手書きの手帳やノートでも十分ですし、アプリや無料のダウンロードもありますので、ご自分に合った方法で記録をつけてみてください。

下痢

便がゆるい状態を下痢便といいます。下痢便が必ず病的と云うわけではありません。たとえば、母乳栄養の赤ちゃんの多くは下痢便ですが、飲みもよく体重の増えもよいのなら全く問題ありません。水のような便が出ても、腹痛がそんなにひどくなくて、吐き気がなく、水分がとれているのなら、様子をみてもいいでしょう。便に血が混じっているような場合でも、血の量がわずかで、腹痛があまりない場合は朝まで待って受診しましょう。たとえ下痢の原因が食中毒や赤痢だとしても、前述したような落ち着いた状態なら朝まで待って受診して大丈夫です。また、下痢は身体が病原体を排出させるために防衛本能として行っているので、むやみに下痢止めを使用すると、症状を悪化させてしまう場合があります。 まずは、医師の診断を受けて、適切な指示のもとで使用することをおすすめします。

こんな症状のときは早めの受診をおすすめします

  • 腹痛が激しい
  • 排便しても痛みが和らがない
  • 吐き気や嘔吐を伴う
  • 水分の摂取ができない
  • 脱水症状が強い
  • 大量の粘血便

嘔吐、吐き気

子どもは胃腸の働きがまだ未熟です。特に乳児は激しく咳込んだり、大泣きしたり、食べすぎ、ストレスなどちょっとした刺激でも吐いてしまいます。だからといって嘔吐を軽くみてはいけません。嘔吐は、髄膜炎や腸重積、腸閉塞(イレウス)、頭を強く打った後の脳損傷、脱水症状など重大な病気の前兆である場合もあります。子どもの行動を観察し、頭を打った後などに吐いた場合には、すぐに病院で診察を受けましょう。