診療案内

一般小児科

赤ちゃんから15歳くらいまでのお子さんの「かかりつけ医」として、お子さんの心身の病気の診療のほか、健康診断や予防接種などを通じて、健やかに成長できるようにサポートを行っています。お子さんの体調不良や、いつもと違う変化があったり、子育てで不安を感じた時など、お気軽に受診してください。受診の際は、保護者の方にその症状がいつ頃から出ているのか、熱の有無、咳や痰の状態、食欲はあるか、おしっこやうんちの状態などをお聞かせください。スムーズな診察につながります。
一般小児科

このようなことをおたずねします

  • いつから症状が出ましたか?
  • 熱、咳、のどの痛み、鼻水はありますか?
  • おしっこやうんちはどのような状態ですか?
  • アレルギーはありますか?
  • 現在服用しているお薬はありますか?
  • 食欲はありますか?
  • 周りで感染症が流行っていますか?

お子さんによく見られる症状

風邪の症状

風邪の原因のほとんどが、ウイルス感染によるものであり、風邪の症状はそのウイルスに対する体の防衛反応です。辛い症状を和らげてあげる対症療法を取りながら、体力の回復を図ることが大切です。不安な時はもちろん、軽い症状でもお気軽にご相談ください。

おなかの症状

腹痛はお子さんが起こしやすい症状のひとつです。小さなお子さんは、腹痛をうまく言葉にできない場合もあるため、どのような症状が出ているのかが重要となります。しっかりとお話を聞き、隠れた病気がないか診察を行います。

呼吸の症状

子どもは、大人に比べ呼吸器の機能が十分に発達していないため、咳がひどくなったり、長引いてしまうケースもあります。また、風邪が原因ではなく季節性やアレルギーによるものかも・・など、心配な点がありましたら、ぜひご相談ください。

その他

その他お子さんの症状で少しでも心配なことがありましたら、何でもご相談ください。

風邪の症状

発熱

子供は大人より体温が高い傾向にあります。正常のときでも、泣いた後、食事の後、運動の後、気温が高い時、水分不足でも高くなりやすく、1日の中でも夕方から高くなる傾向にあります。平熱には個人差がありますが、一般的には37.5度から発熱といえるでしょう。子供の発熱の原因のほとんどは感染症(ばい菌やウイルスに感染して起こる病気)です。ばい菌やウイルスが体に入ると、私たちの体は免疫の働きでこれらの病原体を体から追い出そうとします。実は、病気の症状の多くは、こうした体の防衛反応によるものなのです。よって、軽い風邪等の熱に対し、早くから解熱剤を使うと、解熱剤を使わなかった時より治りが遅れるという報告もあります。
こんな症状のときは早めの受診をおすすめします
  • 3カ月未満児で38度以上の発熱がある
  • ぐったりして顔色が悪い
  • 意識がもうろうとしている
  • 何度も嘔吐する
  • 水分が取れず、半日以上尿が出ない
  • 初めてけいれんした

鼻水、鼻づまり

鼻水は、外からのウイルスや細菌を排除するために出ます。また、鼻づまりは、これ以上病原体が入ってくるのをブロックする働きがあります。小さなお子さんの場合は、鼻の構造が未熟なために鼻水や鼻づまりになることはよくあります。お子さんの機嫌が良ければあわてて受診しなくても大丈夫です。ただし、鼻が詰まるとよく眠れなかったり、ミルクが吸えなかったりします。その場合は、鼻水を吸い取ったり、お風呂などの暖かく湿った空気を吸ったり、鼻をホットタオルなどで温めると鼻の通りが良くなるといわれています。家庭でもできるケアをし、改善がみられないときは受診をおすすめしています。自分で鼻をかめるくらいのお子さんが、鼻水が2週間以上続くときは、アレルギー性鼻炎のことがありまので、受診をおすすめします。
こんな症状のときは早めの受診をおすすめします
  • 食事量の低下
  • ミルクが吸いづらい
  • 鼻づまりや鼻水で眠れない
  • 咳や発熱など他の症状を伴う
  • 耳を痛がる
  • 2週間以上症状が続いている

くしゃみ

風邪は、まずくしゃみ、透明な鼻水からスタートします。風邪は、ウイルスの違いや感染した部位によって症状が異なりますが、一般的には、くしゃみや咳をしたときに飛び散ったしぶき(飛沫)に触れたり、吸い込んだりすることで、ウイルスが鼻やのどの粘膜に付着して炎症が起こった状態です。鼻水、くしゃみなど、いわゆる鼻風邪の症状から始まることが多くあります。お子さんが元気でも鼻水やくしゃみを盛んにしている、という場合は風邪のひき始めかもしれません。鼻やのどの粘膜にウイルスがくっつくと、体はウイルスを追い出そうとして、くしゃみや鼻水を出し、体温を上げてウイルスの活動を鈍らせ、痰や咳でウイルスを外に出そうとします。風邪の症状は、ウイルスに対する体の防御反応なのです。

咳、痰

咳は、鼻水やくしゃみ同様、気道に侵入したウイルスや異物などを外に出そうとする生理的な反応です。飛沫として、あるいは痰として口からの排出を促します。そのため、ウイルスや異物が外に出てしまえば、咳は徐々に軽減していきます。咳が出ている場合、夜間から明け方にかけて強くなる傾向にあります。その原因としては、副交感神経が優位になり気管支が狭くなること、体温と気温(室温)の差で気管支粘膜が敏感になること、鼻水や痰が喉に流れて刺激を受けることなどが挙げられます。夜間に病態が悪化しているわけではないので、適切な治療を受けているのであればそれほど心配する必要はありません。しかし、咳が続くと眠れなかったり、体力も減ってしまいますよね。そんなときは部屋を温めたり、乾燥を防ぐために加湿したり、上体を少し起こした状態で寝るなどの工夫でを夜間の咳症状を和らげてあげましょう。
こんな症状のときは早めの受診をおすすめします
  • 異物が詰まっている可能性がある
  • 顔色が悪い(唇・まぶたの裏・爪などの赤みがない)
  • 陥没呼吸(鎖骨の上や肋骨の下が呼吸でくぼむ)
  • 肩呼吸(呼吸で肩が上下する)
  • 鼻翼呼吸(呼吸のたびに小鼻が開いて閉じる・小鼻が動く)
  • 近寄ると呼吸音が聞こえる
  • 咳き込んで眠れない
  • ヒューヒューゼイゼイという喘鳴が続く

のどが痛い、赤い

風邪を引き起こすウイルスや細菌が扁桃腺に感染し、炎症を起こした症状がいわゆる喉の風邪です。のどの痛みから始まり、悪化すると食べられない、唾液が飲み込めないなどのつらい症状が起こります。また、高熱が出たり、関節痛や頭痛が起こることもあります。首のリンパ腺が腫れることもあります。扁桃腺が赤く大きく腫れ、白い膿が斑点状についたり、膿が扁桃腺を覆って扁桃腺全体が白くなってしまうこともあります。

頭が痛い

頭痛と発熱があっても、顔色がよく食欲があって元気であれば、頭部を冷やし、水分補給を十分にして安静にしましょう。頭痛がつらそうな場合は、子ども用の鎮痛剤を飲ませて様子を見てもいいでしょう。高熱で頭痛がある場合は、インフルエンザに感染している可能性もあります。38度以上の高熱とズキズキと激しい頭痛に加え、全身のだるさ、悪寒、関節痛、筋肉痛を訴えるようなら、市販薬は服用せずに、なるべく早く受診しましょう。
こんな症状のときは早めの受診をおすすめします
  • 38度以上の発熱と激しい頭痛
  • 意識がもうろうとしている
  • 首にこわばりや硬直があり、うつむくことができない
  • ものが二重に見える
  • 痙攣
  • 嘔吐

おなかの症状

腹痛

腹痛の原因はいろいろですが、子供が急に、しかも激しくお腹を痛がる時、一番多いのは、腸の中の便やガスが関係した痛みです。お腹が痛くても自分で歩けるようならば、トイレに連れていき排便を促します。排便が見られ腹痛が治まってきたら、そのまま様子をみてもいいでしょう。お腹を「の」の字にマッサージすると少し楽になることがあります。ただし、お腹の中に炎症があるとき(虫垂炎や胃腸炎)は、カイロなどで温めると炎症を悪化させる可能性があります。子どもが腹痛を訴えるときは、何かしらの原因があります。普段から食事の内容や量、排便の状態などをよく観察しておきましょう。特に2歳以下のお子さんに多く、緊急性の高いものに腸重積があります。腹痛、嘔吐、血便、いつもと泣き方が違うなどの症状がある場合には、速やかに受診しましょう。
こんな症状のときは早めの受診をおすすめします
  • 痛くて我慢できないような腹痛が3時間以上続いている
  • 急にお腹がパンパンに張って固くなっている
  • お腹を強くぶつけた
  • 便の中に血が混じっている
  • 緑色や茶色のようなものを吐いている
  • 陰部や足の付け根あたりが腫れていて、激しく痛がっている
  • 右下腹部の強い痛み

便秘

小児における便秘の頻度は決して少なくありません。便秘で受診するのは・・・と、受診をためらっていませんか。排便の頻度は個人差があります。苦しそうにいきんでいたり、おなかがはっているなどの便秘の症状がある場合には、ぜひ一度受診してください。小さい頃からの便秘をそのままにしておくと、うんちを出しにくい腸になってしまったり、うんちは硬くて痛いというイメージを持つようになり、トイレトレーニングが進まなかったり、排便を嫌がってしまい、便秘が長引く要因となってしまいます。便を柔らかくする薬や腸の運動を活発にするお薬、綿棒浣腸など治療法は様々あります。たかが便秘と思わず受診しましょう。

下痢

便がゆるい状態を下痢便といいます。下痢便が必ず病的と云うわけではありません。たとえば、母乳栄養の赤ちゃんの多くは下痢便ですが、飲みもよく体重の増えもよいのなら全く問題ありません。水のような便が出ても、腹痛がそんなにひどくなくて、吐き気がなく、水分がとれているのなら、様子をみてもいいでしょう。便に血が混じっているような場合でも、血の量がわずかで、腹痛があまりない場合は朝まで待って受診しましょう。たとえ下痢の原因が食中毒や赤痢だとしても、前述したような落ち着いた状態なら朝まで待って受診して大丈夫です。また、下痢は身体が病原体を排出させるために防衛本能として行っているので、むやみに下痢止めを使用すると、症状を悪化させてしまう場合があります。 まずは、医師の診断を受けて、適切な指示のもとで使用することをおすすめします。
こんな症状のときは早めの受診をおすすめします
  • 腹痛が激しい
  • 排便しても痛みが和らがない
  • 吐き気や嘔吐を伴う
  • 水分の摂取ができない
  • 脱水症状が強い
  • 大量の粘血便

嘔吐、吐き気

子どもは胃腸の働きがまだ未熟です。特に乳児は激しく咳込んだり、大泣きしたり、食べすぎ、ストレスなどちょっとした刺激でも吐いてしまいます。だからといって嘔吐を軽くみてはいけません。嘔吐は、髄膜炎や腸重積、腸閉塞(イレウス)、頭を強く打った後の脳損傷、脱水症状など重大な病気の前兆である場合もあります。子どもの行動を観察し、頭を打った後などに吐いた場合には、すぐに病院で診察を受けましょう。 

呼吸の症状

咳が止まらない

子どもは大人より気管支が細く柔らかいため、ちょっとした刺激で出ることがあります。風邪などの感染症にかかると痰が詰まりやすく、痰を外に出すために咳が増えることがあります。また、風邪以外の感染症で咳が長引くことや、アレルギーなど別の原因で咳が続くこともあります。子どもが咳をしていても、元気で食欲があれば、まず問題ありません。しかし、呼吸が苦しそうで眠れないことが続いたり、ぐったりしている時は、すぐに病院を受診してください。2週間以上咳が続くときは、喘息などアレルギーが原因かもしれないので、速やかに病院を受診してください。市販の咳止め薬は喘息の症状をかえってひどくする恐れがあるので、喘息が疑われる時は使うのをやめてください。 また、咳にはさまざまな症状があり、咳の音や他の症状をともなっているかなどの情報が診断に繋がる場合があります。受診時に咳をしていないこともあるので、お子さんが気になる咳をしている場合は、動画で撮影して見せていだたけるとより正確に診断ができるようになります。
こんな症状のときは早めの受診をおすすめします
  • 顔色がおかしい
  • 誤って異物を飲み込んだ恐れがある
  • 呼吸のたびに鎖骨の上や肋骨の下がくぼむ
  • 呼吸をすると肩が上下に動く
  • ヒューヒュー・ゼーゼーと異常な呼吸音がする

変な咳をする

初めは熱や咳が出てきて、風邪かなと思いますが、そのうちに声がしわがれてきて、出にくくなってきます。原因は主にウイルスの感染によって起こり、「ケーン、ケーン」と犬の遠吠えのような乾いた咳、オットセイの声のような咳が出てきます。この症状をクループ症候群といい、喉頭の粘膜が炎症により腫れるために起こります。クループ症候群と診断された場合に、ご家庭でできる対処法は、咳がひどくならないように部屋の湿度を上げるといいでしょう。加湿器があればいいのですが、ない場合はお鍋で湯を沸かして湯気を立てたり、風呂場で熱いシャワーを出して湯気を充満させてみるのもいいと思います。激しく泣くと悪化させるので、なるべく泣かさないように注意して、水分補給をこまめにしてください。寝かせる時は背にクッションなどを入れて上半身を高くすると息をするのが楽になります。夜間に症状が重くなる傾向があるため、顔色が悪い、横になっているのがつらい、しゃべるのがつらそうな時、よだれが飲み込めない時は早めの受診をおすすめします。

呼吸がゼイゼイする

ゼイゼイしている呼吸の音は、空気の通り道が狭くなっている時に聞こえる音です。気管支喘息の発作で、気道が狭くなっている時に聞かれます。子どもはもともと気道が狭く、気管支喘息ではなくても呼吸器感染症にかかっている時にも、ゼイゼイすることがあります。ミルクを飲んだあとに症状が強い場合は、胃から食道にミルクが逆流していることが呼吸に影響していることもあります。また、突然ゼイゼイし始めるような時は、豆類や小さなものの誤飲で起こっている可能性も考えられます。どんな状況で呼吸が変わってきたのか、熱や鼻水・咳はあるのか、その他の症状と合わせて診断を進めていきます。顔色が悪い、唇の色が青紫のとき(チアノーゼ)、呼吸の仕方がいつもと違う(呼吸が早い、肩で息をしている等)、ぐったりしている、など心配な症状があれば特に早く受診してください。

子どもの痰が絡む原因としては、風邪によるものが多く、病原体などの異物を体外へ排出するために痰や咳が出ます。そのほか、自動車の排気ガスや、粉塵、タバコによる副流煙などが原因で痰がでる場合もあり、寒暖差により症状が増えることもあります。水分補給をこまめに行い、部屋が乾燥しないようにしましょう。また、こまめに掃除を行い、空気清浄機を使用したりして、お部屋の環境を清潔に保ちましょう。痰がでていても、熱がなく、元気があれば、安静にすることで自然に治るケースもあります。しかし、いつもと違うなと感じた時は、迷わず受診をおすすめします。

気管支炎

気管支炎とは、鼻やのどについたウイルスや細菌が、のどと肺をつないでいる気管支の粘膜に感染して炎症を起こしたものです。多くは風邪から続いて発症します。熱や咳が続くとき、咳が激しくなってきたときは、風邪で1度受診していても、再度受診しましょう。 気管支炎を起こしているときは、痰を出しやすくする薬、解熱薬、必要に応じて咳止め薬や気管支拡張薬、抗菌薬などが処方されます。部屋が乾燥していると、咳がひどくなります。加湿器を使用したり、室内にぬれタオルを干したりして、湿度を保つよう注意しましょう。
こんな症状のときは早めの受診をおすすめします
  • 呼吸が多い
  • 呼吸が苦しそう
  • 激しくせきこむ
  • 胸やお腹をペコペコさせている
  • 肩で息をしている
  • うめくような呼吸
  • 水分がとれない

喘息

子どもの喘息の最大の原因はアレルギーです。いろいろなアレルゲンを原因として、気管支に慢性のアレルギー性の炎症が起こって、気管支が過敏な状態になります。そこに、花粉、カビ、動物の毛、受動喫煙を含む汚染された空気を吸入したり、風邪なその感染症や気圧、湿度、温度の変動などさまざまな要因が複雑に合わさって発作が起こると考えられます。呼吸がヒューヒュー、ゼーゼーと苦しくなり、激しく咳き込むことを繰り返します。息を吸う時より、吐く時に苦しいのが特徴です。1日の中で真夜中、明け方に症状が出ることが多く、時期としてはゴールデンウィークから梅雨明け、夏から秋の頃など、季節の変わり目に多く見られるのが特徴です。昼間などは元気にしていることもあり、普通の生活が送れていたのに、夜中に呼吸が苦しそうな場合は早めの受診をお勧めします。
こんな症状のときは早めの受診をおすすめします
  • 歩けないほど苦しい
  • 食事ができない
  • 横になれず眠れない
  • 顔色が悪い
  • 息を吸う時に喉や肋骨の間がへこむ
  • 脈がとても速い

感染症

溶連菌

溶血性連鎖球菌という細菌に感染して起こる病気です。発熱やのどの痛みが最初に現れますが、腹痛や嘔吐、発疹を伴うこともあります。溶連菌感染症と診断されたら、抗生剤の服用が必要となります。薬を飲み始めて1~2日で症状はおさまり元気になり、登園・登校も可能ですが、10日間(薬の種類によっては5日間)しっかりと抗生剤を飲み切ることが必要です。急性腎炎やリウマチ熱などの合併症を起こすことがまれにありますので、再診は必ず受けてください。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスは、その年により流行する型が異なります。主な症状としては、急な高熱、全身の節々の痛み、頭痛、喉の痛み、咳、鼻水などです。普通の風邪より症状が強く現れます。インフルエンザと診断された場合、抗ウイルス薬(タミフル、イナビル、リレンザなど)を指示通り服薬していれば、ほとんどのお子さんは数日で自然に治っていきます。しかし、まれに薬が合わなかったり、意識障害や脱水を起こす場合があるので、自宅療養の時はなるべくお子さんから目を離さず見守るようにしましょう。

アデノウイルス

アデノウイルスに感染すると、38~40度の高熱、のどの痛み・腫れ(咽頭炎)、目やに・目の充血(結膜炎)などの症状が現れます。のど・目の症状が出るものは、咽頭結膜熱と言われ、俗にプール熱と呼ばれているものです。夏に流行しますが、冬に感染する場合もあります。また、腹痛や下痢を伴うこともあります。ウイルスに効く抗生剤などはなく、対症療法で内服薬と点眼薬で回復するのを待ちます。のどが痛くて食欲がないときは、ゼリーやアイスなど口当たりの良いものを食べさせると良いでしょう。

手足口病

手足口病はその名の通り、手のひら、足、口の中などに周辺が赤い小さな水泡ができる病気です。夏風邪の一種で、ウイルスに感染してから3~5日くらいに症状が現れます。発熱は、微熱から高熱まで個人差があり、中には発熱しない場合もあります。抗生剤は効かないため、熱や口の痛みなどの症状を抑える薬を服用します。数日から1週間ほどで自然に治りますが、くしゃみや唾液などの飛沫感染のほか、便からの接触感染で大人もうつることがあるので、数日間はオムツ替えの時などは注意が必要です。

RSウイルス

RSウイルスというウイルスに感染して起こる呼吸器系の病気です。2歳までにほぼ100%の子どもが少なくとも一度は感染すると言われています。感染して数日の潜伏期間の後、発熱、鼻水、咳などの症状が出ます。ほとんどが、軽い風邪の症状で済みますが、月齢の低い乳児が初めて感染した場合などは重症化する場合があります。その場合、咳がひどくなり、ゼイゼイして呼吸がしにくくなって、気管支炎や肺炎を引き起こし入院が必要になることもあるので注意が必要です。
こんな症状のときは早めの受診をおすすめします
  • 息を吐くときにヒューヒュー、ゼーゼーと音がする
  • 顔色や唇の色が悪い
  • 胸がペコペコとへこむような呼吸をする
  • 呼吸が速く、呼吸の回数が極端に増えている

感染症胃腸炎

嘔吐、下痢や発熱が主な症状です。原因は、ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルスが体内に入り込むことです。熱は出ないこともあり、出たとしても38℃前後と高熱には至らないケースが多いです。嘔吐や下痢は比較的短期間で治まりますが、注意すべきことは脱水症状を起こす危険があることです。基本的には自然に治る病気ではありますが、吐き気止めや整腸剤で治療します。一番重要な治療は脱水にならないように糖分、ミネラルの拭くんだ水分をとることです。嘔吐下痢症を治すには、基本的にウイルスが体外に排出されるのを待つしかありません。子どもの状態を見守りながら、症状が治まるのを待ちましょう。
こんな症状のときは早めの受診をおすすめします
  • 1日たっても吐き続けるとき
  • 元気がなく、顔色が悪いとき
  • 唇が乾いて、おしっこが少ないとき

ヘルパンギーナ

夏風邪の一種で、発熱とのどに水泡ができて痛いという症状が手足口病に似ていますが、手足に発疹は出ません。急に高熱が出て、のどの痛みも長引く傾向にあります。ウイルスによる感染なので、抗生剤は効かず、対症療法で症状を抑える薬を飲みながら、落ち着くのを待ちます。のどが痛むため、食欲がなくなり水分も取りづらくなるので、脱水に気をつけて、しみないものや喉ごしの良いものを食べさせるようにしてください。 また、感染した人の咳やくしゃみにはウイルスが潜んでおり、 飛び散ったウイルスを吸い込んだり、ウイルスのついた手で目や鼻、口を触ることで感染します。 感染した人の便にもウイルスが潜んでおり、おむつを替えたときに手にウイルスがつくこともあるので注意が必要です。

水ぼうそう

水痘帯状ウイルスからの感染によって起こる病気です。水をもった赤い発疹が、初めは少しずつ出始めやがて全身に広がります。その後、1週間前後でかさぶたになり、だんだんはがれて元の肌に戻ります。かさぶたになるまでは、かゆみが強く、熱を伴う場合もあります。かゆみ止めの塗り薬をかさぶたになる前の発疹に塗ってあげてください。また、かゆくて発疹を引っかいてしまわないように、爪は短く切っておきましょう。発熱しているときや、新しい発疹ができているときは、お風呂は控えるようにしてください。水ぼうそうは、定期接種となっているので、3歳未満のお子さんは必ず接種を受けましょう。

おたふく風邪

おたふく風邪ウイルスに感染すると、2~3週間の潜伏期間の後、耳の下(耳下腺)やあごの下(顎下腺)の痛みと腫れが見られます。発熱はある場合とない場合と個人差があります。腫れは、だいたい左右ともに腫れますが、片方だけの場合もあり、こちらも個人差があります。痛みや熱を抑える薬や冷湿布などで様子を見ながら、1週間前後で症状が治まるのを待ちます。また、4~5日目に高熱、嘔吐、頭痛などの症状があれば髄膜炎の合併が疑われます。思春期の男の子がおたふく風邪にかかると、3割の子が睾丸炎を起こします。局所の腫れがひどいと痛みで歩くこともできなくなります。女の子では卵巣炎を起こすこともあります。様子がおかしいと感じたら診察を受けてください。おたふく風邪ワクチンは任意接種ですが、接種したお子さんのほとんどがかからずに済んでいるので、接種することをおすすめします。

はしか(麻疹)

感染力の強いウイルスです。10~12日の潜伏期間の後、発熱、咳、くしゃみなどの風邪の症状から始まります。この時期に、麻疹と診断するのはむずかしく、その後一旦熱が下がってから再び高熱と同時に発疹が現れて、麻疹(はしか)であると診断されることがほとんどです。肺炎、中耳炎、脳炎などの合併症が見られる場合がまれにあるので、治るまでは再診は必ず受けてください。また、うとうとしてぐったりしている場合などはすぐに受診してください。麻疹の予防接種は、定期接種です。1歳になったら早めに1回目の接種を、就学前の年長児は2回目の接種を忘れずに受けましょう。

その他

アレルギー症状

小児アレルギーは、下痢、嘔吐、腹痛、せき、呼吸困難、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹(じんましん)、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、発熱、頭痛、むくみ、など症状はさまざまです。当クリニックではお子さん一人一人にあった最善の治療を行います。

熱性けいれん

高熱により起こるけいれんで、生後6ヶ月~5、6歳までの子どもの7%前後に見られ、決してまれではない病気です。熱性けいれんを起こした子どものうち約30%の子どもが繰り返す傾向にあります。通常は、5分以内にけいれんは止まり、脳に影響するということはほとんどありません。けいれんを起こした我が子を見るのは衝撃で、どうしたら良いのか分からないと思いますが、落ち着いて「顔と体を横に向けて、嘔吐したものがのどに詰まらないようにする」「口の中に何も入れない」「けいれんが何分間続いているか、体のどの部分がけいれんしているか、全身的なけいれんか、観察する」に注意して、様子を観察することが大切です。たいていのけいれんは5分以内に止まるので、夜中の場合などは翌日の受診で構いません。 けいれんが5分以上続くとき、意識が回復しないとき、一旦おさまって繰り返すとき、けいれんが左右差があるときは、心配なけいれんなのですぐに受診してください。
こんな症状のときは早めの受診をおすすめします
  • けいれんが5分以上続く時・・・救急車を呼んで受診しましょう。
  • けいれんが止まってからも意識が戻らない時
  • 1回の発熱でけいれんを2回以上起こした時
  • けいれんが片方だけのけいれんの時
  • 目が一方だけに片寄っている時
  • けいれんの後にまひがある場合
  • 初めてののけいれんが6カ月未満または6歳以上で起こった場合
  • 家族にてんかんの方がいる場合
  • 発達障害・神経障害がすでにある場合
  • けいれんが起こる24時間以上前から高熱が続いていた場合

口内炎

口の粘膜に起こる炎症のことをまとめて口内炎と呼びます。さまざまな原因と種類があります。傷などで起こる場合は、傷ついた部分だけ白い口内炎ができます。1週間程度で自然に治ります。ストレスで起こるときは、精神的ストレスや、ビタミン不足など栄養の偏りが原因で起こります。表面が白く、周りが赤く、真ん中がくぼんでいますが、1週間程度で自然に治ります。ウイルスの感染によって起こる口内炎は、免疫力の弱い子どもがかかりやすい病気で、ヘルペス性口内炎、ヘルパンギーナ、手足口病などがあります。そのほか、真菌(カビ)の一種のカンジダ菌が原因で口内炎ができることもあり、食べ物、薬物、金属が刺激となりアレルギー反応を起こす口内炎もあります。ほとんどの口内炎は、1週間程度で自然に治りますが、生後4~6カ月の赤ちゃんは、本来お母さんからもらった免疫によって病気にかかりにくい時期なのに口内炎ができることがあり、高熱が出た場合は重大な病気の可能性もあります。そのときは、迷わず受診しましょう。

発疹が出た

子どもの発疹には様々な病気に繋がっており、一見してどの病気か判断することは難しいです。感染する病気の場合もありますので、まず発疹が出たら、しっかりと症状や体調などを観察するが大切です。発疹は発熱を伴うものとそうでないものがあります 。ウイルスや細菌などによる感染症の発疹の多くは発熱を伴います。免疫ができることにより症状は治まります。発熱を伴わない発疹は、皮膚がかぶれやすいものに接触して起こるかぶれです。皮膚に細菌が侵入して起こるとびひ、食物アレルギーに代表されるじんましんがあります。また、感染を伴う発疹では、発熱から始まるもの、発疹から始まるもの、おなかから出るもの、手足にできるものなど病気によって異なります。こどもに発疹が出きた場合は、全身を隅々までチェックして、どこから発疹がでて、どの順番で進行していき、発熱はあるかなどの症状を医師にしっかりと伝えてください。
こんな症状のときは早めの受診をおすすめします
  • かゆみがひどく、顔や唇が腫れぼったい
  • 声がかすれてる
  • 咳が出て息苦しそう
  • 薬を飲んだ後、発疹がでた
  • 発熱があり、目や唇が赤い
  • 鼻血を出したり、関節を痛がる
  • 足に紫色のあざがいくつもある

目やにがひどい

子どもは新陳代謝が活発なため、目やにができやすい傾向にあり、風邪や結膜炎、ものもらいや角膜の炎症などさまざまな要因が考えられます。ウイルス性の結膜炎は、感染力が強いはやり目の可能性もあるため、周りにうつしてしまうことも考えられます。そのため、目やにが出たら、しばらく観察し、痛みや充血などの症状が長引いたり、物が見にくいなどの場合はすぐに受診しましょう。また、ご自宅でのケアとしては、目やにが出ているときは、お湯で湿らせたガーゼやタオルで目頭からやさしく拭き取ります。目頭など目やにが溜まりやすい部位には、軽く押しつけるようにして拭います。強いかゆみが出ているようなら冷水で絞ったタオルを当てて冷やすと、症状が落ち着きます。また、細菌感染した時のための抗菌作用のある目薬がありますが、市販のものと処方のものでは違いますので、自己判断での薬の使用は控え、医師の診断を受けて、適切な指示のもとで使用することをおすすめします。

体重が増えない

子どもの体重は基本的に増えていきます。なので、急に体重が減った場合は注意が必要です。特に乳児期の体重の推移は大変気を使います。体重の増えだけで判断するのではなく、お子さんの活気・食欲・熱など総合的に判断することが必要です。離乳食が始まるまでは、体重が適切に増えていれば、母乳だけでも大丈夫ですし、逆に母乳だけにこだわり過ぎて体重が減っている赤ちゃんには、必要に応じて粉ミルクを足すことも大切です。また、子どもは、よく食べて、よく動き、よく寝る生き物です。健康な身体のためには、健康な食事は不可欠です。体重の増えが悪かったり、食欲がない場合は、何か病気が原因であることもあります。身長は伸びているのに、体重がなかなか増えないという子がたまに見受けられます。多くの場合、これらの子は、よく動くなどの特徴があり、病的でないことがほとんどですが、稀に思わぬ病気が隠れていることがあるので、心配な症状があったりなかなか体重が増えない場合は一度は受診していただき、ご相談ください。

貧血

貧血は血中のヘモグロビン濃度や赤血球の数が減少している状態のことです。よくダイエット中や思春期に見られる病気ですが、実は生後8か月~2歳ごろまでにもよく見られる症状です。生まれた時に母体からもらった鉄分は数か月で使いきってしまいます。生後6か月頃からは鉄分の補給が必要ですが、離乳食の遅れや鉄分の不足した食事、過度の牛乳多飲などが鉄分不足の原因となっています。貧血になると、倦怠感、めまい、動悸や息切れなどの症状がみられます。ヘモグロビン濃度や赤血球の数が減少すると、血中に酸素を溜める力が減少して肌が黄色味を帯びるなど血色が悪くなったり、体力の低下や脳の発育にも影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。乳幼児の場合は、鉄分が多く含まれる離乳食やおやつなどを組み合わせて鉄分を摂取していくことも不足している鉄分を補うために有効です。思春期では、レバーやカツオなど吸収率の高いヘム鉄を含む食品を多く摂取するようにしたり、鉄の吸収率を上げるタンパク質やビタミンCも合わせて摂取するようにして鉄分を積極的に摂取しましょう。また、必要に応じて鉄分の錠剤を服用して治療していきます。原因によって治療方法は異なるため、気になる症状があればお気軽にご相談ください。

おねしょ

おねしょと夜尿症の違いは年齢がポイントになります。乳幼児期の夜尿をおねしょといいますが、夜尿症は、5歳以降、1ヶ月に1回以上、3か月以上続く夜間就寝中の間欠的・不随意に尿を漏らすことと定義されています。成長とともに、膀胱が大きくなって尿をためられるようになり、さらに夜に尿を減らすホルモンの働きが発達してくるため、就寝中にトイレに行かないようになります。このバランスがとれていないと、夜尿が生じることになります。まずは、1ヶ月ほど生活指導をさせていただき、就寝前には必ず排尿を済ませる習慣をつけましょう。改善が見られない場合は、内服治療やアラーム療法を行っていきます。夜尿が続くことで、お子さんの自尊心の低下や、睡眠の質を悪化させる可能性がありますので、ご相談いただき、一緒に治療していきましょう。

夜泣きがひどい

赤ちゃんが夜中に突然目を覚まして激しく泣くことを夜泣きといいます。多くは生後3、4か月頃から~1歳半くらいに見られます。特に新生児の頃は、昼と夜の区別がほとんどつかないため、1日の睡眠サイクルが未熟であることが原因であるとされていますが、はっきりとした原因が分からないことも多々あります。泣いている赤ちゃんを抱っこしたり、オムツを換えてあげたりなどの対策をとることで泣き止むこともありますが、一晩中泣いているといったケースもあります。夜泣きがどうしても収まらないときは、一旦部屋の電気をつけて、赤ちゃんをはっきりと起こして、もう一度寝かしつけるという方法があります。何をやっても泣き止まないときは、夜泣きに効くと言われている漢方薬があります。どうしても夜泣きがひどい時は、クリニックにご相談してください。
このほか、夜驚症という症状で、寝ている最中に、突然叫び声や悲鳴、泣き声をあげ、場合によっては起き上がったり、パニックをおこしてしまうことがあります。主に2歳~6歳で起こる一時的な疾患です。 幼児期の夜驚症では、叫び声を上げるだけではなく、目を見開いたり、身体を動かしたり、大量に汗をかいたり、恐怖に怯えた表情になるなど、身体的症状が強くなります。 周囲からは怖い夢でうなされたように見えるため、なだめようとしますが、大抵の場合、本人が認識できていないため、改善がみられません。時間が解決することが多いです。 ですが、夜驚症の場合、焦らずゆっくり治療することが大切です。ご心配なときはぜひご相談ください。

乳幼児健診・予防接種

お子さんの健康を守るために、乳幼児健診や予防接種は非常に大切です。初めてのお子さんでどうしたらいいか分からない、お子さんが増えてスケジュール管理が難しいなど、不安なことがありましたら遠慮なくご相談ください。親御さんの不安をスタッフ一同でサポートいたします。
高宮かくら小児科では、月・火・木・金・土の13:30~15:00に、予防接種と乳幼児健診を優先的に行う専用時間帯を設けています。Webでご予約の上、ご来院ください。予防接種をご希望で、この時間帯でご都合が悪い方は、お電話にてご相談ください。